痛みの原因はすべて脳にある?歯と脳の関係が丸わかり!脳歯科で全身を治療

2024.02.02

コラム

歯の状態は、脳の状態を映す『鏡』


歯と脳は、頭蓋骨という狭い空間の中に密接に位置しています。そのため、歯の状態が脳の働きに影響を与え、逆に脳の働きが歯の状態に影響を与えると考えられています。

歯が痛い!と感じる時、実は脳の誤作動が原因の可能性があります!

歯が脳に与える影響

脳幹と小脳の働きで、身体のバランスを整える

脳の構造は複雑で、脳幹や小脳の機能を良くすることで身体のバランスが良くなることがあります。

治療でも、そういった経験することが多いです。

脳幹は、呼吸や心拍、消化などの生命維持に必要な機能を司っています。また、小脳は、運動の調整や姿勢の保持、平衡感覚などの機能を司っています。

これらの機能が正常に働いていると、身体のバランスは安定します。しかし、脳幹や小脳の働きが低下すると、身体のバランスが崩れ、めまいやふらつきなどの症状が出ることがあります。その他、引き起こされる症状例 >>

脳の各部位の働きを整えて、全身の不調を改善

また、前頭葉、後頭葉、頭頂葉、側頭葉の悪い反応をとると、身体の不調が取れたりしています。

脳に近い歯を調整する(被せもの以外は削りません)ことで痛みや不調がとれる画期的な治療法です。

脳について簡単に説明します。

脳幹とは?生命維持に欠かせない重要な器官

私たちの脳は、頭蓋骨の中に収められた、器官です。大人の脳はだいたい1.2~1.5kgで、脳は、全身の器官や組織とつながっており、これらの器官や組織の働きをコントロールしています。そのため、脳の働きが低下すると、全身の不調を引き起こす可能性があります。

脳は「脳幹」「大脳辺縁系」「大脳新皮質」「前頭前野」の4つに分けることができます。


生命維持の司令塔『脳幹』

1)脳幹…脳と脊髄をつなぐ所。大脳に近い方から中脳、橋、延髄の3つ

脳幹は、脳と脊髄をつなぐ部分で、生命維持に欠かせない重要な器官です。脳幹は、大きく3つの部分に分けられます。

中脳では体の動的バランスを調節し、転ばないようにする。
は眼耳鼻舌等の感覚を大脳に連絡する中継ブリッジの役割。
延髄は生命中枢であり、呼吸や心拍数を自動的に調節して命を維持。

間脳(視床、視床下部)

間脳は、体温や血圧、生理の周期などの自動調節や、体内リズムをコントロールする重要な器官です。

間脳の働きが低下すると、これらの機能が正常に行われなくなり、さまざまな不調を引き起こす可能性があります。

脊髄

脊髄は脳からの運動命令を筋肉に伝えたり、また皮膚の熱い、冷たい、快、不快等を脳の感覚センターへ伝える光ケーブルとしての役割も持っています。

脊髄は、脳と末梢神経をつなぐ、長さ約45cmの管状の組織で、脳と末梢神経をつなぐ重要な器官です。脊髄の働きが低下すると、運動や感覚に障害が出る可能性があります。


記憶と情動の司令塔『大脳辺縁系』

2)大脳辺縁系…記憶(短期記憶と長期記憶)と情動(やる気、怒り、喜び、悲しみ等の快不快)に関わる重要な器官です。短期記憶と長期記憶の両方に関与。

古皮質・旧皮質・辺縁皮質等とも呼ばれ、大脳皮質の下、脳の奥深くに位置する古い皮質で、生命の維持や生存に重要な役割を果たしています。

生きる力を支える

大脳辺縁系は、脳の奥深くに位置する古い皮質で、記憶や情動、本能行動、動機付け、自律神経調節など、多彩な機能に関係しています。

また、大脳辺縁系は、古皮質(海馬、脳弓、歯状回)、旧皮質(嗅葉、梨状葉)、中間皮質(帯状回、海馬回)、皮質下核(扁桃体、中隔、乳頭体)の総称です。

古皮質

海馬…短期記憶を長期記憶に固定する役割も果たしています。

例えば、今日食べたものをの情報を、海馬は短期記憶として記憶し、蓄えらます。

この短期記憶の中でも、海馬によって重要だと判断された短期記憶のみが、長期記憶として各連合野へと移動します。空間感覚情報は頭頂連合野、色とか形情報は側頭連合野と言った具合に各部位にそれぞれ長期記憶として蓄えられる。

長期記憶は、10年前のあの時に、こんな感覚で歩いた(頭頂連合野)、こんな景色や音(側頭連合野)だったなぁと古い記憶を呼び起こして、イメージ化する(前頭連合野)ような感じです。

皮質下核

扁桃体・・海馬からの視覚、味覚、嗅覚、聴覚、内臓からの感覚情報など、さまざまな感覚情報を受け取ります。それらの情報を統合し、好き嫌いを判断

「あの人を見たら嫌な気持ちになる」

を例にすると、海馬がその人の情報を短期記憶として記憶し、再び、海馬がその人の情報を長期記憶として固定

その後、扁桃体がその人の情報を処理し、嫌な気持ちになるという情動を判断する。まとめると、海馬は、短期記憶を長期記憶に固定する役割を果たし、扁桃体は、情動の処理に関与する役割を果たしています。


大脳新皮質が支える私たちの精神活動と感覚機能

3)大脳新皮質…脳の表面を覆う薄い膜で、さまざまな機能に関与しています。

前頭葉、頭頂葉、側頭葉、後頭葉という4つの部分に分けられます。

前頭葉

前頭葉は、大脳新皮質の4つの葉のうちの1つで、主に思考、判断、意志、計画、行動、感情のコントロール、言語の理解や生成などの高次の精神機能を司る部位です。

前頭葉には前頭連合野、前頭眼野、運動連合野、運動野、ブローカ野が存在しています。

・前頭連合野…前頭葉の大部分を占める領域で、思考、判断、意志、計画、行動などの高次の精神機能を司る部位です。他の中枢(各種連合野、言語中枢)から送られて来る情報を元に判断や実行する総合中枢。認知力・思考力・注意力・集中力等に関わり、感情のコントロールや、言語の理解や生成にも関与しています。

・前頭眼野…前頭葉の眼窩部に位置し、視覚情報の処理と視覚情報をもとにした行動の制御に関与しています。

・運動連合…前頭葉の背外側部に位置する運動神経の中枢。ここで指定された運動を行うのが運動野です。また、複雑な運動の計画と実行に関与しています。

・運動野…運動野は、前頭葉の背外側部に位置する領域で、単純な運動の実行に関与しています。

・ブローカ野…前頭葉の下前頭回に位置し、話したり書いたりといったアウトプットの言語中枢で、言語の生成に関与しています。

【前頭葉を、簡単に!】
前頭連合野 → 思考・判断・意志・計画・行動・感情のコントロール・言語の理解・言語の生成
前頭眼野 →視覚情報の処理・視覚情報をもとにした行動の制御
運動連合 → 複雑な運動の計画・複雑な運動の実行
運動野 → 単純な運動の実行
ブローカ野 → 言語の生成

頭頂葉

頭頂葉は、大脳皮質の一部です。人間の脳の最上部に位置し、体性感覚野、頭頂連合野、味覚野が存在しています。

頭頂葉は、視覚情報の処理・聴覚情報の処理・身体からの感覚情報の処理・高次の知覚処理などの視覚や聴覚、感覚運動など、さまざまな機能に関わっています。

・体性感覚野は、大脳皮質の頭頂葉にある、体からの感覚情報を処理し、触圧覚や温痛覚を知覚神経を通じて判断。体性感覚には、触覚、痛覚、温度覚、位置覚、振動覚、深部感覚などがあります。

・頭頂連合野は、大脳皮質の頭頂葉にある、空間認識に関わる中枢です。距離感や上下感覚などの、視覚・聴覚・体性感覚などの情報を統合して、空間を認識する機能を担っています。

体性感覚・野頭頂連合野は、私たちの日常生活において、さまざまな場面で重要な役割を果たしています。

側頭葉

側頭葉は、脳の左側と右側にそれぞれ存在する脳葉です。脳の側面部に位置し、前頭葉、頭頂葉、後頭葉と隣接しています。

側頭葉は、聴覚、言語、記憶、感情など、さまざまな機能に関与しています。聴覚野、側頭連合野、ウェルニッケ野が存在しています。

・側頭連合野は、聴覚や視覚などの感覚情報を処理します。音、形、色など聴覚野や視覚連合野から送られてくる情報の意味を理解し処理。前頭連合野へ送ります。

・ウェルニッケ野は、言語の理解や処理に重要な役割を果たします。情報の意味や文脈を把握するのに関与している、『聞いたり』『読んだり』というインプットの言語中枢です。

後頭葉

後頭葉は、脳の大脳皮質の一部であり、視覚に関わる機能を担っています。

後頭葉には、視覚野と視覚連合野という2つが存在します。

視覚野は、網膜から送られてきた視覚情報を処理する最初の脳領域で、左右2つに分かれています。また、一次視覚野、二次視覚野、三次視覚野といった段階的な処理を行う領域が存在します。

視覚連合野は、視覚野から送られてきた情報をさらに処理し、意味のある視覚情報として認識する領域で、複数の領域に分かれており、それぞれ異なる機能を担っています。

空間的な視覚情報処理する背側視覚連合野・物体認識の腹側視覚連合野・視覚情報と聴覚情報などを統合する側頭連合野が存在しています。


行動をコントロールする司令塔『前頭前野』

4)前頭前野…大脳新皮質の4つの葉のうちの1つで、主に思考、判断、意志、計画、行動、感情のコントロール、言語の理解や生成などの高次の精神機能を司る部位です。

理性、思考、創造力

前頭前野は、理性や思考、創造力などに関係し、人間を人間たらしめる重要な機能を担っています。前頭前野は、精神機能を司る司令塔のような存在です。

大脳基底核は、大脳皮質と視床・脳幹を結びつける神経核の集まりです。運動調節・認知機能・感情・動機づけや学習など機能を司っています。

小脳は、脳幹の後方に位置する脳の器官で、身体の運動を制御し姿勢を維持します。歩く・走る・立つ・座るなどの運動がスムーズに行うようにに指令。

松果体は、脳の中央部に位置する小さな器官で、光の情報を受け取り、体内の生体リズムを調整する(体内時計)器官です。睡眠-覚醒サイクルやホルモン分泌などの生体リズムを調整し、日中と夜間の切り替えをサポートしています。

また、メラトニンの分泌を調節し、暗い環境になると増加。眠気を促進します。逆に、明るい環境ではメラトニンの分泌が抑制され、覚醒状態を維持。

大脳基底核、小脳、松果体は、それぞれ異なる機能を持ちながらも、密接に連携して動作することで、情報交換を行い、連携することで、複雑な動作や心身の機能を支えています。

脳の驚異的な機能

は、わずか1.3kgの臓器でありながら、私たちの思考、感情、行動、そして全身の機能を統括する司令塔です。その複雑な仕組みは、未だ多くが謎に包まれています。

私が歯科医師として働く中で、

肩こり・腰痛・頭痛・不眠症など(その他、歯から改善できる症状 >>

のご相談を多くいただきました。これらの症状は、一見すると歯科治療とは関係ないように思えるかもしれません。

しかし、近年では脳と全身の健康は密接に関係していることが明らかになってきており、歯の歪みが全身の不調に影響を与える可能性も指摘されています。

今回は脳について少しお話しました。脳の機能は、まだまだ解明されていない部分も多いです。難しい話ですが、全身治療(オーラルウェーブ治療)のページをご覧ください!

全身治療(オーラルウェーブ治療)は、歯の歪みを調整することで、全身の不調を改善する治療法です。

この治療法を受けることで、肩こり、腰痛、頭痛、不眠症などの症状が改善したという報告もあります。

全身治療(オーラルウェーブ治療)に興味がある方は、ぜひ、専門ページをご覧になるか、お問い合わせください!

ご予約について

当院はお電話のみのご予約となります。
ご予約優先ですのでお早めにご予約ください。

TEL   045-651-7117

当院は、オンライン資格確認を行う体制を有しております。
当院を受診した患者様に対し、受診歴、薬剤情報、特定健診情報その他必要な診療情報を取得、活用して診療行います。

治療例はこちら

お知らせにて、たくさんの治療例を紹介しています!※こちらは、スポーツへの影響の症例動画になります。

診療情報

オハナ・デンタルクリニック関内では、脳歯科認定医による歯から身体のすみまで健康にする治療をおこなっております。

関連記事一覧

最新記事一覧

コラムの掲載者の紹介

この記事は、オハナ・デンタルクリニック関内の院長、宮路 早苗が執筆しています。
【経歴】
・昭和大学歯学部卒業
・東京大学顎口腔外科・歯科矯正歯科にて非常勤講師を務める
・歯科の臨床経験25年以上

歯科医師なのに全身治療を始めたきっかけは…
自身が坐骨神経痛で右足がしびれ、頚椎ヘルニアで首の激痛苦しんだ経験があったからです。整形外科や整体・マッサージでは治らず、歯科医院で治療したところ、完治しました。その経験から、歯科治療だけでなく、「全身のバランスを整えることで、多くの患者様の痛みや不調を改善できるのではないか」と考えるようになりました。

2020年9月

国際学術誌誌「Case Reports in Clinical Medicine」論文が認められ、脳歯科認定医となりました。
脳歯科って何?怪しい?関内の歯医者で唯一の脳歯科認定医の想い!