歯周病の予防・改善と健康のために

2021.12.27

コラム

歯周病は日本人の8割がかかり、歯を失う原因の1位となっています。
歯周病は血管や心臓など全身にも影響を及ぼし、お口の生活習慣病とも言えます。
まず初めに、あなたの歯周病危険度をチェックしてみましょう。

▢ 朝起きた時、口の中がねばねばする
▢ 歯みがきの時、出血する
▢ 口臭が気になる
▢ 歯肉がむずがゆい、痛い
▢ 硬い物がかみにくい
▢ 歯と歯の間に隙間ができ、物がよく挟まる
▢ 歯が長くなったような気がする
▢ 前歯が出っ歯になる

いくつ当てはまりましたか?

歯周病は歯の表面に付着している歯垢が原因で発症します。
歯垢の80%は細菌で、その中の菌が繁殖して歯肉や歯槽骨などを破壊します。
歯周病は、35~40歳頃に発症するケースが最も多いのが特徴です。
これは歯周病の発症に病原菌だけでなく、体を守る免疫システムの衰えが関係すると考えられます。
歯周病はかなり進行しないと痛みなどの自覚症状が出ないため、注意が必要です。

歯周病は、下の図のように炎症が歯肉だけにとどまっている歯肉炎から歯周炎へと移行し、炎症が進むと膿や出血などが起こり、歯周ポケットが深くなるにつれて歯を支える歯槽骨が溶けていきます。
歯槽骨が破壊されると歯を支えきれなくなり、ぐらついたり抜け落ちたりしてしまいます。

歯周病はそのままにしておくと、全身に様々な悪影響を及ぼします。
歯周病菌やその毒素などが歯肉から血液に入り込み、動脈硬化や心筋梗塞、脳卒中、心臓病、糖尿病、肺炎などを引き起こす原因になるといわれています。
全身の健康のためにも歯周病予防を心がけてください。

では、歯周病予防のために普段からどのようなことに気をつけたら良いのでしょうか。
歯周病の予防には、まず原因となるプラークを歯磨きで取り除くことが大切ですが、規則正しい食事や十分な睡眠、禁煙など生活習慣の改善が大切です。
歯周ポケットに入ったプラークや歯石はブラッシングしても完全に取ることはできないので、歯科で3~4か月に1度クリーニングを受けるようにしましょう。
歯周病でない人も年1回、歯科の受診をおすすめします。

歯周病になってしまった方は、しっかり正しいブラッシングを行うことが重要になります。
歯ブラシを歯に当てたら毛先は動かさず、柄を小刻みに20回動かすのがポイントです。
1日1回1本ずつ、しっかりブラッシングすると20分ほどかかりますが、プラークを取り除いて歯肉の状態を改善することが必要です。
正しいブラッシングの方法は、病院で実際に磨きながらお伝えしておりますので、練習をしてぜひ実践なさってくださいね。

また、ビタミンC入りの歯磨き粉や積極的に食事でビタミンCを摂ることもおすすめです。
歯肉を構成する成分は、主にコラーゲン繊維で、歯と歯槽骨を結びつける役割を果たしています。
歯周病にかかった歯肉は、このコラーゲン繊維が破壊された状態で、その結果歯肉の腫れや出血、歯のぐらつきなどの症状が出ます。
ビタミンCにはコラーゲン合成促進効果があり、壊れたコラーゲン繊維の再生を促し、歯ぐきを健康に保ってくれます。
ビタミンCは、一度に大量に摂取せず、日常的に摂取し、病気に強い身体を作りましょう。
院長は、風邪気味や体調が悪い時、1日10gを3回に分けて飲み、風邪薬はいらずに治っています。
歯周病予防・改善と合わせて、野菜、果物、サプリメントでビタミンを摂って健康でお過ごしください。