漢方の力について

2021.10.19

コラム

年齢を重ねるにつれ、疲れやすくなったり、顔色がさえなかったり…何となく調子が悪い、とお悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
そんな「なんとなく不調」な状態を無理なく改善してくれるのが漢方です。
漢方医学では、病気に対する治療だけでなく、健康増進やエイジングケア、病気とまではいかない未病の状態にも対応します。

心と体のバランスを整えることで、「気が付けば不調が消えていた」ということもあります。
「なんだか体がだるい」「いつも目覚める時間になっても、なかなか起きられない」、こういった身体の小さな変化もバランスの崩れを知らせる体のSOSです。
この崩れてしまったバランスを整えて免疫力を高め、病気になりにくい体へと導いてくれるのが漢方なのです。

「歯医者さんで漢方薬を処方するの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、当院では漢方薬を処方しています。
お口の中も臓器のひとつとして考え、西洋医学では対処しにくい半健康状態から慢性疾患まで対処することができるからです。

漢方薬は、長年の研究の中で複数の生薬を組み合わせたもので、一つの漢方薬でさまざまな症状を治し、複合的な効果を期待することができます。
植物や動物の骨、貝殻、石膏などの鉱物類に加工を施したもので、顆粒や煎じ薬などがあります。
煎じて飲むことで体も温まるので、当院ではおススメしています。

漢方薬は体のバランスを整えて治す処方なので、正しく飲みながら毎日の生活習慣を整えることで効き目が良くなります。
早寝早起きをし、食生活で気を補い、気分転換をして気を巡らす…自然の摂理に従った生活スタイルを取り入れることで、心身のバランスを整えます。
漢方薬を飲んでいるから大丈夫ではなく、養生あっての漢方なのです。
そして、漢方は対処療法ではなくバランスの崩れを治して緩やかに体調を回復させる療法です。
ジワジワと効いてくるものなので、漢方治療に焦りは禁物です。
症状の深刻さにもよりますが、数か月から年単位で考えてください。
漢方の力を借りて、免疫力を上げて病気になりにくい体をつくりましょう。