口腔ケアで感染症予防を予防しましょう

2020.07.03

コラム

鼻や口にある粘液は、ウイルスなどの侵入を防ぐ役割をしています。
感染症を予防するためには、口の中を清潔に保つことが重要になります。
健康に過ごすために、しっかりケアをしましょう。

口腔ケアで感染症予防を予防しましょう

●口腔と感染症の関係

口は、食べ物や病気を引き起こす病原体などの異物が入って来る、体の入り口です。
鼻や口の粘膜には、粘膜免疫と呼ばれる病原体に対する防御機能が備わっています。

粘膜免疫は、口から入った病原体が粘膜に付着すると、全身免疫に情報を送るのと同時に、付着した粘膜近くのリンパ組織を介して、病原体の侵入を阻止する物質を唾液中に分泌し、素早く病原体に対応します。
インフルエンザウイルスは喉や気管の粘膜で増殖するため、この粘膜免疫は感染防御に有効です。
唾液は細菌やウイルスを防御し、さらに口腔内の汚れも洗い流してくれます。
その他にも、唾液に含まれるムチンには粘膜保護作用が、上皮成長因子には傷ついた粘膜組織を修復する作用があります。

口の中は、常に300種類以上の細菌や真菌が生息しており、 私たちの体は腸内細菌と同じように、 口の中の細菌とも上手に共存しています。
口の中に細菌が適切に存在することで、多くの病原体の感染を防ぐのです。
しかし、口の中が不衛生になり、細菌が増えてしまうと、一部の細菌が産み出す物質(プロテアーゼなど)が、粘膜の防御機能を破壊してしまうことがわかっています。
また、飲み込む機能が弱っているご高齢の方では、唾液に混ざった細菌が肺に入り、肺炎を引き起こすことも知られています。

むし歯や歯周病を予防するだけではなく、インフルエンザや肺炎といった全身的な感染症を予防するためにも、口腔ケアは欠かせないことなのです。