歯と脳はつながっています

2026.08.01

コラム

「噛む力」が脳と全身の健康を支える―当院が大切にする「脳歯科」という考え方
「歯医者なのに、どうして脳の話をするのですか?」初めて来院された患者さんから、このようなご質問をいただくことがよくあります。
多くの方にとって歯科医院は、虫歯や歯周病を治療する場所というイメージではないでしょうか。
もちろん、それは歯科医療の大切な役割です。

近年の研究では、「歯の健康」が全身の健康や生活の質(QOL)と深く関わっていることが明らかになってきました。当院では、その中でも特に「歯・内臓・脳・全身」のつながりを大切に考えています。
私たちが目指しているのは、歯を一本治療することだけではありません。患者さんが、姿勢、呼吸を整えて健康なかみ合わせで自分の歯でおいしく食べ、笑顔で会話を楽しみ、健康で充実した毎日を送れるよう支えることです。

噛むことは、食べるためだけではありません
「よく噛んで食べましょう。」誰もが一度は聞いたことがある言葉だと思います。実は、この言葉には大切な意味があります。
噛むことには、
・食べ物を細かくする ・唾液の分泌を促す ・消化を助ける・顎の骨や噛む筋肉を使う
・口の機能を維持する
といった役割があります。噛むという動作は脳の活動とも関係していることが研究されています。
しっかり噛むことと脳の働き、高齢者の口腔機能と認知機能・生活機能との関連については、多くの医学研究が行われています。
つまり、「噛む」という何気ない毎日の習慣は、食事だけではなく、健康的な生活を支える重要な機能なのです。

現代人は、噛まなくなった。1日約1,860回の「噛む力」が、歯・脳・全身を支えています
昔の人と現代人で、大きく変わったことがあります。それは、食べる量ではありません。
噛む回数です。現代の日本人は、1回の食事で平均約620回、1日3食で約1,860回ほど噛んでいるといわれています。
一方で、弥生時代の食事を再現した研究では、1食あたり約3,990回噛んでいたという報告があります。つまり昔の人は、今の何倍も「噛む生活」をしていたのです。私たちは便利な時代に生きています。やわらかいパン、麺類、加工食品、スムージー、ゼリー飲料、短時間で食べられる食事。
忙しい日々の中で、食事はどんどん「早く、楽に、噛まなくても食べられるもの」へ変わってきました。

食いしばりは、お口だけの問題ではありません
「朝起きると顎が疲れている」
「歯が欠けやすい」「詰め物が何度も外れる」「肩や首がいつも重たい」
このようなお悩みをお持ちの方は少なくありません。その背景には、食いしばりや歯ぎしりが関係している場合があります。
食いしばりは、睡眠中だけではありません。仕事中、スマートフォンを見ている時、運転中、家事をしている時など、無意識に起きていることもあります。
また、睡眠の状態やストレス、生活習慣など、さまざまな要因が関係すると考えられています。
そのため当院では、「歯が削れているからマウスピースを作る」という対応だけで終わりません。
なぜ食いしばるのか。
噛み合わせはどうか。
顎関節はスムーズに動いているか。
生活の中で負担になっていることはないか。
患者さんのお話を伺いながら、一緒に原因を考え、より良い状態を目指していきます。

当院が「脳歯科」という視点からオーラルウェーブ治療をする想い
私たちは、歯・顎関節・口腔機能と脳、そして全身は、それぞれが影響し合いながら働いていると考えています。
そのため、歯だけを見て終わるのではなく、
・噛み合わせ
・顎関節
・食いしばり
・口の使い方
・睡眠
・生活習慣
なども含めて総合的に診ることを大切にしています。口の機能を整えることが、毎日の生活をより快適にし、患者さん本来の健やかな状態を支える一助になるという考え方です。

オーラルウェーブが目指す歯科医療
オーラルウェーブは、「歯から全身の健康を支える」という当院の理念に基づいた治療コンセプトです。
歯や噛み合わせだけではなく、顎関節や口腔機能にも着目し、お一人おひとりのお口の状態や生活背景に合わせた診療を行っています。
患者さんからは、
「噛みやすくなった」
「朝の顎の疲れが気にならなくなった」
「以前よりリラックスしやすくなったように感じる」
「毎日を快適に過ごせるようになった」
「以前ほど食いしばらなくなった気がする」
というご感想をいただくことがあります。もちろん、感じ方や変化には個人差があり、すべての方に同じ結果が得られるわけではありません。私たちは、お口の機能を整えることが、生活の質(QOL)の向上や健康寿命を支える一助になると考えています。

私たちが本当に守りたいもの
当院が守りたいのは、歯だけではありません。患者さんが自分の歯でおいしく食べ、ご家族や友人と笑顔で会話を楽しみ、好きなことを続けられる毎日です。歯は人生を支える大切な財産です。
そして歯は、健康への入り口です。
だからこそ私たちは、「歯・脳・全身」というつながりを大切にしながら、患者さん一人ひとりの未来を見据えた歯科医療を提供していきます。歯を守ることは、人生を守ること。
その想いを胸に、私たちは今日も一人ひとりの患者さんと向き合っています。