なぜ私は「歯から全身を診る歯科医師」になったのか
2026.07.10
コラム
頸椎ヘルニア・坐骨神経痛を経験した歯科医師がたどり着いた答え
こんにちは。横浜市中区関内のオハナデンタルクリニック関内です。
私は歯科医師として患者さんを診療していますが、実は昔から健康だったわけではありません。
むしろ、自分自身が首や腰の痛み、しびれに長年苦しんだ患者の一人でした。
今日は、「なぜ歯科医師なのに全身を診るようになったのか」についてお話したいと思います。

歯科医師なのに、自分の身体を治せなかった
私は三代目の歯科医師です。父も祖父も歯科医師でした。父は新橋で30年以上歯科医院を続けていました。しかし私が30歳頃、父は突然亡くなりました。その後私は日本橋、川崎、元町、桜木町などで勤務医として経験を積みました。その頃から身体に異変が起こります。
最初は首でした。右手にしびれが出始めました。診断は頸椎ヘルニア。ブロック注射をしながらしんりょうしていました。一生この注射しながら診療していくのか、メンタル面も不安定になりました。
歯科医師にとって手は命です。細かい治療を行うため、少しのしびれでも大きな問題になります。
しかし症状は徐々に悪化していきました。
首をかばった結果、今度は腰が壊れた
首の痛みをかばいながら診療を続けていた私は、無意識に姿勢を崩していました。
すると今度は腰に負担が集中しました。診断は腰椎ヘルニア。さらに坐骨神経痛。
右足全体がしびれました。歩くこともつらくなりました。長時間立っていることも困難になりました。
患者さんには笑顔で接していましたが、心の中では「このまま歯科医師を続けられるのだろうか」
という不安でいっぱいでした。
整形外科、整体、鍼、マッサージ…
それでも改善しなかった。良いと言われるものはほとんど試しました。
整形外科。整体。カイロプラクティック。鍼灸。マッサージ。漢方。しかし改善しても一時的でした。
しばらくするとまた元に戻ります。その時、私はある疑問を持ちました。
本当に悪いのは首や腰なのだろうか
首が痛い。だから首を治療する。
腰が痛い。だから腰を治療する。それは当然のことです。
しかし私は何度治療しても戻ってしまいました。原因が別の場所にあるのではないか。
そう考えるようになりました。
歯科医師だから気付けた「噛みしめ」
ある日、自分自身を観察していて気付いたことがあります。
それは、無意識の食いしばりです。診療中。運転中。考え事をしている時。私は常に歯を噛み締めていました。さらに夜間の歯ぎしりもありました。顎の筋肉はもちろん、体全体が常に緊張していました。
顎関節は身体のバランスの出発点
顎関節は頭蓋骨の土台です。頭が傾けば首が傾きます。首が傾けば背骨が傾きます。背骨が傾けば骨盤が傾きます。骨盤が傾けば歩き方が変わります。
つまり、
身体はすべてつながっています。これは解剖学的にも事実です。私は自分自身の身体でそれを体験しました。
食いしばり・歯ぎしりは歯だけの問題ではない
当院に来院される患者さんの中には
• 顎関節症
• 肩こり
• 首こり
• 頭痛
• めまい
• 睡眠の質の低下
• 慢性疲労
を抱えている方が数多くいらっしゃいます。もちろん全てが噛み合わせだけで説明できるわけではありません。しかし実際には、強い食いしばりや歯ぎしりが関係しているケースを数多く経験してきました。
私が「歯から全身を診る」理由
私は首や腰を壊した経験があるからこそ、痛みや不調を抱える患者さんの気持ちが分かります。
どこへ行っても改善しない。検査では異常がない。原因が分からない。
そんな不安を私自身が経験してきました。だからこそ当院では、
歯だけを診るのではなく、
• 食いしばり
• 歯ぎしり
• 顎関節
• 姿勢
• 睡眠
• ストレス
• 全身バランス
まで含めて考えるようにしています。

歯の寿命を守るためにも全身を診る
歯ぎしりや食いしばりは、歯を失う大きな原因の一つです。
• 歯が割れる
• 詰め物が取れる
• 被せ物が壊れる
• 歯周病が進行する
こうした問題の背景に、過度な噛みしめが隠れていることがあります。
だから私は、単に歯を治すだけではなく、
その原因となる食いしばりや全身のバランスにも目を向けています。
私は歯科医師である前に、一人の患者でした。
頸椎ヘルニア。
腰椎ヘルニア。
坐骨神経痛。
その苦しみがあったからこそ、
「歯は全身とつながっている」という視点にたどり着きました。
もし、
• 食いしばりが気になる
• 朝起きると顎が疲れている
• 肩こりや首こりがつらい
• 顎関節症で悩んでいる
• 歯ぎしりを指摘された
という方は、一度ご相談ください。歯だけではなく、全身とのつながりという視点から一緒に考えていきたいと思います。